事故事例の詳細

事故概要

当時小学校2年生の子が、地方公共団体が設置・管理する公園内の噴水施設で遊んでいる際に本件噴水施設に設置されているオブジェから転落して死亡した。 



この事故の事故パターン

  事故のきっかけ 事故の過程 結果 詳細と留意点
1    その他・詳細不明  その他・詳細不明  墜落(ベランダや屋上などの高所から落下すること)  事故パターンの詳細と留意点を見る

事故概要詳細

情報ソース 裁判判例 
建物用途 公共施設  
場所 その他場所  
建築部位 その他  
障害程度 死亡  
事故にあった方 年齢 7歳 
性別 男児 

判例の詳細

責任の所在
施設設置管理者である市の営造物責任を認めた
瑕疵・過失の有無
瑕疵あり
(理由)
・本件噴水施設の設置当初から,子供が本件噴水施設の本件各オブジェに登り,そこから飛び降りるなどして遊ぶことは十分予見される状況であったこと
・本件各オブジェの中には約1メートル70センチメートル等の高さのものがあること
・過去に別な男児が転落して頭部を打撲している事故があったこと
・本件噴水施設への物理的な接近防止措置を講じるなどせず,新たな看板の設置という対策にとどまっていたこと
過失相殺
5割
被害者は本件事故当時小学2年生であったこと
親からオブジェは危険だから遊ばないよう注意を受けていること
本件事故当時付き添っていた母親も、被害者から目を離したこと
損害賠償の範囲
-

判例の解説

事案の概要
当時小学校2年生の子が、地方公共団体が設置・管理する公園(以下「本件公園」という。)内の噴水施設(以下「本件噴水施設」という。)で遊んでいる際に本件噴水施設に設置されているオブジェから転落して死亡した(以下「本件事故」という。)。被害者の両親が、被告の本件噴水施設の設置又は管理に瑕疵があるとして,国家賠償法2条1項に基づき,損害賠償を請求した事案である
裁判所の判断
裁判所は、概ね以下のように述べて、地方公共団体の営造物の設置管理に瑕疵があるとして、原告の請求を認容した。

1 営造物の瑕疵とは,通常有すべき安全性を欠いていることをいい,設置又は管理の瑕疵の有無については,当該営造物の構造,用法,場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきである。

2 本件噴水施設は遊具には当たらないが、本件各オブジェは上に乗ることが出来る形状であり,実際に登っている子供もいること,本件噴水施設への立ち入りは容易であること,本件噴水施設は本件公園の中央に存在すること,本件各オブジェに登らないよう注意する職員が常駐しているわけではないことなどからすると,本件噴水施設の設置当初から,子供が本件噴水施設の本件各オブジェに登り,そこから飛び降りるなどして遊ぶことは十分予見される状況であったというのが相当である。

3 本件噴水施設に子供が登って遊ぶことが予見できたこと,本件各オブジェの中には約1メートル70センチメートル等の高さのものがあること,本件噴水施設の地面はコンクリートであること,過去に別な男児が転落して頭部を打撲している事故があったことなどからすると,本件噴水施設の設置には瑕疵がある。

4 また,本件噴水施設の供用開始後,本件各オブジェに登っている子供がいることを被告の職員が認識したり,本件噴水施設で事故が起きたことを被告の職員が認識したりしていて,本件噴水施設で事故が起きることは一層予見しうる状態であったが,本件噴水施設への物理的な接近防止措置を講じるなどせず,新たな看板の設置という対策にとどまっていたのであるから,本件噴水施設の管理にも瑕疵がある。
 (※なお、看板を設置して本件噴水施設に登ることを禁じていたから本件事故が起きることは予見不可能であったとする被告の主張に対しては、看板の設置位置は必ずしも全員の目にとまる場所ではないことや,そもそも一般に子供は危険であると書面や口頭で注意された程度では自己の行動を制止できないものであることなどから、被告の主張は採用できないとしている。)

5 本件事故当時,Aは小学2年生であり,本件事故前,原告X2からオブジェは危険だから遊ばないよう注意を受けていることなどからすれば,A自身の過失は大きい。また、本件事故当時付き添っていた母親も、被害者側の過失としてAから目を離したことなどの過失がある(過失割合5割)。
本判決のポイント
当該施設の目的が遊び場等ではなくても、実際に児童等が遊んでいることを認識し、危険が予見可能である場合には、物理的な接近防止措置を講じるなどをしないと設置管理に瑕疵があると評価されうる点、注意喚起の看板の設置だけでは必ずしも安全性確保のための措置としては十分なものとはいえないとしている点が参考になる。
事件番号・判例時報 平成18年(ワ)第2633号 
裁判年月日 平成20年9月19日 
事件名 損害賠償請求事件 
裁判所名・部 さいたま地方裁判所 
判示  
原審事件番号  
原審裁判所名  
原審結果  
被害者  
天候等の状況  
ID:1482[mid:]