事故事例の詳細

事故概要

検査入院していた患者が,不眠のためハルシオンを服用後、右手に点滴用スタンドを持った状態で転倒し負傷した。

 事故当時、トイレの出入口スロープ部分が水に濡れていた事実が認められている。 



この事故の事故パターン

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事故概要詳細

情報ソース 裁判判例 
建物用途 病院  
場所 出入り口  
建築部位 スロープ  
障害程度 重度のケガ  
事故にあった方 年齢  
性別  

判例の詳細

責任の所在
建物所有者・占有者(病院)
瑕疵・過失の有無
瑕疵無し

ア 被害者は、トイレの出入口スロープ部分が水に濡れていたために転倒したと認めることはできず,通路部分で転倒したと認められること、

イ 通路部分については、瑕疵と認められる事実は存在しないこと

から、工作物責任は認められない。

判例の解説

事案の概要
検査入院していた患者が,不眠のためハルシオンを服用後、右手に点滴用スタンドを持った状態で転倒し負傷した事故が発生した。被害者が、病院に対し、工作物責任及び債務不履行責任に基づき損害賠償を請求した事案である。

なお、事故当時、トイレの出入口スロープ部分が水に濡れていた事実が認められている。
裁判所の判断
裁判所は、

① 工作物責任については、

 ア 被害者は、トイレの出入口スロープ部分が水に濡れていたために転倒したと認めることはできず,通路部分で転倒したと認められること、

 イ 通路部分については、瑕疵と認められる事実は存在しないこと

から、工作物責任は認められないとした。

② 債務不履行責任については、

 ア 被害者は,入院当日ころまでは摂食困難な状態にあったが,独力で歩行することに支障はなく,事故直近には相当回復していたこと

 イ 入院後も,日中は病院内を自由に歩き回っており,その行動からは被害者の歩行に特に注意すべきような点は存しなかったこと

 ウ ハルシオンの投与についても,特に異常が生じていなかったこと

から、病院には、被害者に対し,尿瓶を使用させ,あるいは,ナースコールをさせるなどして,夜間の独力歩行を避けさせるべき注意義務や、通常の入院患者に対する観察看護義務を超えて,ハルシオン投与後の原告の行動を観察すべき注意義務があったとは認められないなどとして、過失はないとした。
事件番号・判例時報 平成13(ワ)13363

平成13年(ワ)13363 L最高裁HP 
裁判年月日 平成14年5月17日 
事件名 損害賠償請求 
裁判所名・部 東京地裁 
判示 棄却 
原審事件番号  
原審裁判所名  
原審結果  
被害者 入院患者 
天候等の状況  
ID:310[mid:83]