事故事例の詳細
事故概要
本件は,スーパーマーケットの利用客が、店内通路の床が水で濡れて滑りやすい状態で放置されるという建物の設置・保存の瑕疵があったため,歩行中に転倒し,右膝内側側副靭帯損傷等の傷害を負った被ったなどと主張して,店舗経営者に対し、工作物責任に基づく損害賠償を請求した事案である。
原審が被害者の請求を棄却しため、これを不服として被害者が控訴した。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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濡れ |
すべる |
転倒(床の上で転ぶこと) |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
店舗・娯楽施設等 |
場所 |
その他室内 |
建築部位 |
平坦な床 |
障害程度 |
重度のケガ |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵なし
・水漏れの原因とされる製氷機は事故当時故障していなかったこと
・事故当時,店舗内は日頃より多くの客で混み合っていたにもかかわらず、被害者とその夫以外に床が濡れていることを指摘した者や転倒した者がいなかったこと
・事故の約2週間前に,本件店舗内の床に滑りにくいコーティング剤を塗布したばかりであること
判例の解説
- 事案の概要
- スーパーマーケットの利用客が、店舗内の通路の床が水で濡れて滑りやすい状態で放置されるという建物の設置・保存の瑕疵があったため,歩行中に転倒し,右膝内側側副靭帯損傷等の傷害を負った被った(以下「本件事故」という。)などと主張して,店舗経営者に対し、工作物責任に基づく損害賠償を請求した事案である。
- 裁判所の判断
- 1 被害者である控訴人(原告)は、製氷機から広範囲に水たまりができていた旨主張するが、本件製氷機は当時故障していないこと、本件事故当時店舗内は日頃より多くの客で混み合っていたにもかかわらず、被害者とその夫以外に床が濡れていることを指摘した者や転倒した者がいなかったことなどからすれば、本件事故当時,本件製氷機の故障により床が水で濡れて滑りやすい状態であったと認めることはできない。
2 本件店舗は、本件事故の約2週間前に,店舗内の床に滑りにくいコーティング剤を塗布したばかりであって,本件事故当時その塗膜の摩耗や劣化はおよそ生じていない状態であったこと,本件事故から数年経過後の測定結果でも本件店舗の床は湿潤状態でも安全性を満たすものと評価されたものであることからすれば,製氷機からの水漏れ以外の原因により本件店舗の床が滑りやすい状態にあった等というような事情も窺えない。
3 よって、本件店舗の設置や保存に瑕疵があったとはいえない。
- 本判決のポイント
- 事故の原因と主張されている設備等の状況や他の利用客等の動向、床のコーティング状況などの具体的事情を踏まえ、瑕疵の存在が否定されていることに留意する必要がある。
事件番号・判例時報 |
平成30年(ネ)第847号 |
裁判年月日 |
2019/4/17 |
事件名 |
損害賠償請求事件 |
裁判所名・部 |
福岡高等裁判所判決 |
判示 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
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天候等の状況 |
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ID:2085[mid:]