事故事例の詳細

事故概要

大人から幼児までを入場の対象とするプールで、子供(5歳)が、プール内から一旦出て、西側のプールサイドを通り、ロープを潜り抜けて危険区域とされていたところに入り、大人用プール内に自ら入るかあるいは誤って落ち込むかして溺死した。 



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事故概要詳細

情報ソース 裁判判例 
建物用途 公共施設  
場所 水回り(キッチン・トイレ・風呂)  
建築部位 その他  
障害程度 死亡  
事故にあった方 年齢  
性別  

判例の詳細

責任の所在
工作物所有者・占有者(プール経営者)
瑕疵・過失の有無
瑕疵あり

ア 幼児らが危険区域に侵入するのを完全に遮断する設備を欠いていること

イ 監視体制が不十分であったこと

から、プールの設置・管理に瑕疵がある。
過失相殺
両親も幼児を連れて本件プールに入場したのであるから、子供の行動を監視する義務があるのにこれを怠った重大な過失があるとして、過失相殺(7割)をした。

判例の解説

事案の概要
大人から幼児までを入場の対象とするプールで、子供(5歳)が、プール内から一旦出て、西側のプールサイドを通り、ロープを潜り抜けて危険区域とされていたところに入り、大人用プール内に自ら入るかあるいは誤つて落ち込むかして溺死した。被害者遺族が、プールの経営管理者に対し、工作物責任に基づき損害賠償を請求した事案である。
裁判所の判断
裁判所は、

① 本件プールは大人から全く泳ぐことのできない幼児までも入場の対象としていたものであるから、危険回避能力の乏しく全く泳ぐことのできない幼児の安全をも保障しうるように設置管理されなければならないことはいうまでもないとした上で、

② 本件プールは、

 ア 幼児らが危険区域に侵入するのを完全に遮断する設備を欠いていること

 イ 監視体制が不十分であったこと

から、プールの設置・管理に瑕疵があるとした。

③ ただし、両親も幼児を連れて本件プールに入場したのであるから、子供の行動を監視する義務があるのにこれを怠った重大な過失があるとして、過失相殺(7割)をした。
事件番号・判例時報 昭和50年(ネ)314号 
裁判年月日 昭和50年12月25日 
事件名 損害賠償請求事件 
裁判所名・部 福岡高裁 
判示 変更 確定 
原審事件番号  
原審裁判所名  
原審結果  
被害者 利用者(幼児) 
天候等の状況  
ID:182[mid:27]