事故事例の詳細
事故概要
7歳の女児が、自転車を運転して,歩道を走行していたところ,車道上に転倒し,進行していた自動車の左後輪に轢過され、死亡した。
被害者が転倒したのは、歩道部分に沿って栽植された生垣の枝が張り出していたため、それを回避しようとしたことに起因する。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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植栽 |
体を動かして静止部分にぶつかる |
ぶつかり |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
その他 |
場所 |
外構・アプローチ |
建築部位 |
その他 |
障害程度 |
死亡 |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 生垣所有者
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵あり
「道路に沿って設置された竹木の管理者は,その竹木が交通の往来に危険を及ぼすおそれがあると認められる場合には,その危険を防止するため道路上に竹木がはみ出さないようにするなど必要な措置を講じなければならないというべきであり,そのような措置を講じることなく竹木を放置していた場合には,通常有すべき安全性を欠いており,」工作物の設置保存上の「瑕疵」がある。
- 過失相殺
- 過失相殺として、被害者側の過失割合を25%としている。
判例の解説
- 事案の概要
- 7歳の女児が、自転車を運転して,歩道を走行していたところ,車道上に転倒し,進行していた自動車の左後輪に轢過され、死亡した。
被害者が転倒したのは、歩道部分に沿って栽植された生垣の枝が張り出していたため、それを回避しようとしたことに起因するとして、被害者が生け垣の所有者に対し損害賠償請求を求めた事案である。
- 裁判所の判断
- ①裁判所は、「本件歩道は,生け垣により,本件交差点北東角の本件歩道開始地点から門南端までの間で本来幅員約85cmのところが約65cm,門北端から秋山方北西角までの間で本来幅員約90cmのところが約25cmと狭められていた。」と認定した上で、
② 「道路に沿って設置された竹木の管理者は,その竹木が交通の往来に危険を及ぼすおそれがあると認められる場合には,その危険を防止するため道路上に竹木がはみ出さないようにするなど必要な措置を講じなければならないというべきであり,そのような措置を講じることなく竹木を放置していた場合には,通常有すべき安全性を欠いており,」工作物の設置保存上の「瑕疵」があるとし、
③ 本件生垣の所有者に工作物責任を認めた。
④ ただし、過失相殺として、被害者側の過失を過失割合を25%としている。
- 本判決のポイント
- 生垣の管理等に不備があり歩道等の通行の妨げとなある場合には、その所有者や占有者は工作物責任を負うとした点で参考になる。
事件番号・判例時報 |
平成17年(ワ)第2477号
1251号283頁 |
裁判年月日 |
平成19年5月9日 |
事件名 |
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裁判所名・部 |
大阪地裁 |
判示 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
子供 |
天候等の状況 |
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ID:194[mid:105]