事故事例の詳細
事故概要
子供(4歳)が母親とともに午前八時五分頃、国道の歩道上を歩行していたところ、本件国道に接して、これに棟が平行して建てられた建物の屋根から、積雪が2人の頭上に落下し、子供が死亡した。また、当時本件建物前歩道上には大きな雪堤が存在していた。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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降雪・結氷 |
雪・氷などが落ちる |
落下物にあたる |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
事務所等 |
場所 |
外構・アプローチ |
建築部位 |
その他 |
障害程度 |
死亡 |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 建物占有者・国
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵あり
(雪止設備)本件落雪は、本件建物の屋根に設置されていた前判示の雪止を懸吊していた鉄線が積雪による荷重に耐えられずに切断したことによると認定し、本件落雪は、土地の工作物としての雪止設備の保存の瑕疵がある。
(歩道の管理)本件建物のように、その屋根の積雪が落下するときは本件国道の歩道に落下してしまうような構造の建物が国道中の人通りの多いところに面している場合は、積雪期にこのような建物前の歩道を通る通行人の安全を確保するために万一の場合に備えて特別の配慮をすべきものである。
したがって、建物前の歩道上には、雪堤を存在させないようにする等の処置をとるべき義務があつたにもかかわらず放置していたことは、建物前の本件国道歩道の管理については瑕疵がある。"
判例の解説
- 事案の概要
- 子供(4歳)が母親とともに午前八時五分頃、国道の歩道上を歩行していたところ、本件国道に接して、これに棟が平行して建てられた建物の屋根から、積雪が2人の頭上に落下し、子供が死亡した。また、当時本件建物前歩道上には大きな雪堤が存在していた。母親が建物所有者に対し工作物責任に基づき、国道の設置管理者である国に対し営造物責任に基づき、損害賠償を請求した事案である。
- 裁判所の判断
- 裁判所は、
① 本件落雪は、本件建物の屋根に設置されていた前判示の雪止を懸吊していた鉄線が積雪による荷重に耐えられずに切断したことによると認定し、本件落雪は、土地の工作物としての雪止設備の保存の瑕疵に因るものとして、占有者の工作物責任を認めた。
② また、国については、
ア 営造物責任における道路の設置又は管理の瑕疵とは、右道路がその設置上又はその管理上、道路として通常有すべき安全性を欠くことをいう。
イ 交通量その他の交通状況や積雪量だけではなく、沿道に存在する建物その他の状況をも考慮に入れて、本件国道上のそれぞれの場所の具体的な状況に応じて、適時に適切な除排雪等を実施しなければならなかつたものというべきである。
ウ 本件建物のように、その屋根の積雪が落下するときは本件国道の歩道に落下してしまうような構造の建物が国道中の人通りの多いところに面している場合は、積雪期にこのような建物前の歩道を通る通行人の安全を確保するために万一の場合に備えて特別の配慮をすべきものである。
エ したがって、建物前の歩道上には、雪堤を存在させないようにする等の処置をとるべき義務があつたにもかかわらず放置していたことは、歩道たる道路として通常有すべき安全性を確保するためになすべき処置を怠つていたものと断ぜざるを得ない。
として、国による本件建物前の本件国道歩道の管理については瑕疵があると判断して、
国の賠償責任も認めた。
事件番号・判例時報 |
昭和50年(ネ)125号141号
850号43頁 |
裁判年月日 |
昭和51年8月23日 |
事件名 |
損害賠償請求控訴事件 |
裁判所名・部 |
札幌高裁 |
判示 |
控訴棄却 |
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原審事件番号 |
昭和49年(ワ)124号 |
原審裁判所名 |
稚内地裁 |
原審結果 |
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被害者 |
歩行者 |
天候等の状況 |
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ID:181[mid:26]