事故事例の詳細
事故概要
8月1日午後5時頃、大阪市有のプールに遊泳に来ていた者(14歳)が、五〇メートルプールにプールサイドから飛込んだところ、プール底部に頭を打ちつけて負傷した。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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その他・詳細不明 |
その他・詳細不明 |
墜落(ベランダや屋上などの高所から落下すること) |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
公共施設 |
場所 |
水回り(キッチン・トイレ・風呂) その他場所 |
建築部位 |
その他 |
障害程度 |
重度のケガ |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 市(プール設置者)
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵なし
(設置)本件プールは、
ア かつて本件プールが五年間、飛込台をも設えた日本水泳連盟公認の競泳用プールであつたこと、飛込台撤去の前後を通じ、通常の遊泳に伴う飛込がなされている限りでは、傷害事故等発生したことのないことを考えれば、本件プールの右水深や水位が、一般遊泳用プールとして通常備えるべき安定性を欠くとはいえないこと
イ 本件事故の際被害者が、飛込禁止の趣旨を知りながら、監視の隙をねらって、プールサイドまで走行により勢をつけた上で、空中に高く飛上って着水する等という特異、危険な飛込方をしていること
から、営造物の設置上の瑕疵はない。
(保存)、本件プールの管理についても
ア 表示板による警告や監視員による注意等により、本件のようなプールでの飛込事 故防止のために通常必要と考えられる対策は講じていたこと
イ 被害者は、一四才でその年齢相応の判断能力もあり、本件プールでは水深の低さから危険であるため飛込が禁止されていることを十分に承知の上で、あえて監視の隙を窺って危険な飛込をしていること
から、営造物の管理(保存)に瑕疵はない。
判例の解説
- 事案の概要
- 8月1日午後5時頃、大阪市有のプールに遊泳に来ていた者(14歳)が、五〇メートルプールにプールサイドから飛込んだところ、プール底部に頭を打ちつけて負傷した。被害者が、営造物の設置者である市等に対し、営造物責任及び一般不法行為責任に基づく損害賠償を請求した事案である。
- 裁判所の判断
- 裁判所は、
① 公の営造物であるからといつて、いかなる異常の事態に対しても絶対に遊泳者の安全を保持すべき万全の策が講じられていなければならないものではなく、用速、利用状況等から通常予想される事態に対して安全性を欠くとき、始めて設置ないしは管理に瑕疵ありとされるとした上で、
② 本件プールは、
ア かつて本件プールが五年間、飛込台をも設えた日本水泳連盟公認の競泳用プールであつたこと、飛込台撤去の前後を通じ、通常の遊泳に伴う飛込がなされている限りでは、傷害事故等発生したことのないことを考えれば、本件プールの右水深や水位が、一般遊泳用プールとして通常備えるべき安定性を欠くとはいえないこと
イ 本件事故の際被害者が、飛込禁止の趣旨を知りながら、監視の隙をねらつて、プールサイドまで走行により勢をつけた上で、空中に高く飛上つて着水する等という特異、危険な飛込方をしていること
から、営造物の設置上の瑕疵はないとした。
③ また、本件プールの管理についても
ア 表示板による警告や監視員による注意等により、本件のようなプールでの飛込事 故防止のために通常必要と考えられる対策は講じていたこと
イ 被害者は、一四才でその年齢相応の判断能力もあり、本件プールでは水深の低さから危険であるため飛込が禁止されいることを十分に承知の上で、あえて監視の隙を窺つて危険な飛込をしていること
から、営造物の管理(保存)に瑕疵はないとした。
事件番号・判例時報 |
昭和52(ワ)976
384号147頁 |
裁判年月日 |
昭和54年1月26日 |
事件名 |
損害賠償請求事件 |
裁判所名・部 |
大阪地裁 |
判示 |
棄却 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
利用客 |
天候等の状況 |
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ID:184[mid:29]