事故事例の詳細
事故概要
住宅供給公社住宅に居住する者が,本件住宅とその東側の公園(本件公園)との間の,被告が管理する通路(本件通路)を自転車にて通行中,本件通路中央に置かれていたコーンと本件公園側とを結ぶロープが自転車に絡まって転倒して傷害を負った。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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車止め、誘導柵などの床からの突出物 |
体を動かして静止部分にぶつかる |
ぶつかり |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
集合住宅の共有部等 |
場所 |
外構・アプローチ |
建築部位 |
平坦な床 |
障害程度 |
軽度のケガ |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 責任なし
- 瑕疵・過失の有無
- なし
(理由)
・本件通路上に置かれたコーンやロープは,自転車の通行を妨げるものではあるが,通常の注意をもって通行している限りは危険な設置物とはいえないこと
・自転車のライトを点灯すれば,容易にコーンや多少黒ずんだロープの存在に気がつく明るさであったといえるのであり,また誤って自転車がロープに接触したとしてもコーンが倒れ,地面に足をつくことによって転倒するまでには至らないものであったこと
- 過失相殺
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- 損害賠償の範囲
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判例の解説
- 事案の概要
- 本件は,住宅供給公社住宅に居住する者が,本件住宅とその東側の公園(本件公園)との間の,被告が管理する通路(本件通路)を自転車にて通行中,本件通路中央に置かれていたコーンと本件公園側とを結ぶロープが自転車に絡まって転倒して傷害を負ったとして,住宅供給公社に対し損倍賠償を求めた事案である。
- 裁判所の判断
- 裁判所は、概ね以下のように述べて、原告の請求を棄却した。
1 本件通路上に置かれたコーンやロープは,自転車の通行を妨げるものではあるが,通常の注意をもって通行している限りは危険な設置物とはいえず,また夜間であっても,そう暗くない状態であって,さらに自転車のライトを点灯すれば,容易にコーンや多少黒ずんだロープの存在に気がつく明るさであったといえるのであり,また誤って自転車がロープに接触したとしてもコーンが倒れ,地面に足をつくことによって転倒するまでには至らないものであった。
2 本件事故は,本件通路の状況からして容易にロープの存在を認識し得たにもかかわらず,これを見過ごし,またロープによってその走行が困難となったとしても,通常の運転技術があれば容易に転倒を免れたにもかかわらず,転倒したものであって,その責任は原告にあるものといわざるを得ない。そうであれば本件事故が,被告の本件通路の管理に瑕疵にがあったとは認められない。
- 本判決のポイント
- 設備等につき、通常の注意をもって利用している限りは危険なものとはいえいないものについては、瑕疵があるとはいえないとしている点が参考になる。
事件番号・判例時報 |
平成17年(ワ)第5776号 |
裁判年月日 |
平成19年1月24日 |
事件名 |
損害賠償請求事件 |
裁判所名・部 |
東京地方裁判所 |
判示 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
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天候等の状況 |
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ID:1483[mid:]