事故事例の詳細
事故概要
豪雨の際,国道の側溝に設置された集水ますのグレーチング蓋が浮き上がり,歩道からそこに立ち入り,浮いている本件グレーチング蓋を足で押したり,開口部から溢れ出る水を蹴ったりしていた中学生のひとりが、突然,本件集水ますの開口部に足のほうから吸い込まれ,他の少年らが救助しようとしたが奏功せず,死亡した。
本件集水ますの開口部は,容易に人がはまり込む大きさで,底部は深く,下流暗渠の径は人を呑み込むに充分な大きさであり,本件グレーチング蓋が外れれば,人が転落し,流れがあれば暗渠に吸い込まれることが容易に予測できた。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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貯水槽・池・プールなどの管理 |
水の中に落ちる |
その他(火傷・感電・溺水・中毒など) |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
その他 |
場所 |
その他場所 |
建築部位 |
その他 |
障害程度 |
死亡 |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 国
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵あり
本件集水ます等につき、
ア ますが開口すれば,容易に人がはまり込む大きさであり,もし,水流が十分あるとき人が転落すれば,水流に呑み込まれて脱出することができず,そのまま暗渠に吸い込まれてしまうおそれのある構造であったし,このことは,容易に予測できたこと
イ 本件グレーチング蓋がボルト等で本件集水ますに固定されていれば,本件事故は起きなかったと認められること
から,上記固定されていなかったことは,国の営造物である本件側溝,本件集水ます及び本件グレーチング蓋を含む本件道路の設置又は管理に瑕疵がある。
- 過失相殺
- 被害者にも過失を認め、過失相殺(7割5分)している。
判例の解説
- 事案の概要
- 豪雨の際,国道の側溝に設置された集水ますのグレーチング蓋が浮き上がり,歩道からそこに立ち入り,浮いている本件グレーチング蓋を足で押したり,開口部から溢れ出る水を蹴ったりしていた中学生のひとりが、突然,本件集水ますの開口部に足のほうから吸い込まれ,他の少年らが救助しようとしたが奏功せず,死亡した事故が発生した。被害者遺族が国に対し、営造物責任に基づき損害賠償を請求した事案である。なお、本件集水ますの開口部は,容易に人がはまり込む大きさで,底部は深く,下流暗渠の径は人を呑む込むに充分な大きさであり,本件グレーチング蓋が外れれば,人が転落し,流れがあれば暗渠に吸い込まれることが容易に予測できたことが認定されている。
- 裁判所の判断
- 裁判所は、
① 本件集水ます等にgつき、
ア ますが開口すれば,容易に人がはまり込む大きさであり,もし,水流が十分あるとき人が転落すれば,水流に呑み込まれて脱出することができず,そのまま暗渠に吸い込まれてしまうおそれのある構造であったし,このことは,容易に予測できたこと
イ 本件グレーチング蓋がボルト等で本件集水ますに固定されていれば,本件事故は起きなかったと認められること
から,上記固定されていなかったことは,国の営造物である本件側溝,本件集水ます及び本件グレーチング蓋を含む本件道路の設置又は管理に瑕疵があったものと一応推定するのが相当であるとした。
② その上で、
ア 本件グレーチング蓋の浮き上がりと本件集水ます開口の予見可能性があったこと
イ 被害者の行動は、道路の管理者である国にとって予測を超えた行動であったというほどでもないこと
から、①の推定は覆らず、本件グレーチング蓋がボルト等で本件集水ますに固定されていなかったことは,被本件道路が,通常有すべき安全性を欠いていたというべきであり,国賠法2条1項にいう公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったものということができるとした。
③ ただし、被害者にも過失を認め、過失相殺(7割5分)している。
事件番号・判例時報 |
平成14年(ネ)474
最高裁HP |
裁判年月日 |
平成15年7月15日 |
事件名 |
損害賠償請求控訴事件 |
裁判所名・部 |
福岡高裁長崎支部 |
判示 |
一部変更 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
小学生 |
天候等の状況 |
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ID:311[mid:84]