事故事例の詳細
事故概要
東北配電株式会社が施設し所有していた3500ボルト以下の高圧架空送電線(五粍のゴム被覆硬銅線)のゴム被覆がひどく古損し、感電事故が生じた。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
結果 |
詳細と留意点 |
1 |
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むき出しのコード |
感電する |
その他(火傷・感電・溺水・中毒など) |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
その他 |
場所 |
その他場所 |
建築部位 |
その他 |
障害程度 |
重度のケガ |
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判例の詳細
- 責任の所在
- 工作物の所有者(電力会社)
- 瑕疵・過失の有無
- 瑕疵あり
本件高圧電線の断線事故に対する保安設備として、瞬時ないし極めて短い時間において自動的に電流を遮断すべき装置を設置していたならば、被害を防止しえた可能性があるので、保安設備に瑕疵がある。
- その他
- 会社の設置した保安設備が監督官庁の制定した取締規定に違反しないからといつて、結果を左右するものでないとした。
判例の解説
- 事案の概要
- 東北配電株式会社が施設し所有していた3500ボルト以下の高圧架空送電線(五粍のゴム被覆硬銅線)のゴム被覆がひどく古損し、感電事故が生じた。被害者が電力会社に対し、工作物責任に基づく損害賠償を請求した事案である。
- 裁判所の判断
- 裁判所は、
① 五粍の硬銅線である本件送電線は、例えゴム被覆がなくても当時の行政法規に違反しないものであるが、行政上の取締規定に違反しないという一事をもつて、工作物責任に基づく所有者の賠償責任を免かれることはできない。
② また、終戦後の国内物資の欠乏からその電力会社管下の破損したゴム被履高圧送電線を全部完全なものに取り替えることは極めて困難な状況にあったとしても、事故現場の電線の修補をすることが絶対不可能なものであったとは認められない。、
③ さらに、本件高圧電線の断線事故に対する保安設備として、瞬時ないし極めて短かい時間において自動的に電流を遮断すべき装置を設置していたならば、被害を防止しえた可能性があるとして、保安設備に瑕疵があると認定し、会社の設置した保安設備が監督官庁の制定した取締規定に違反しないからといつて、結果を左右するものでない。
④ 以上から、送電線を所有する電力会社は、事故によつて生じた損害を賠償する責任があると判断した。
事件番号・判例時報 |
昭和33年(オ)510
最高裁HP |
裁判年月日 |
昭和37年11月8日 |
事件名 |
損害賠償並びに慰謝料請求事件 |
裁判所名・部 |
最高裁第1小法廷 |
判示 |
棄却 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
仙台高裁 |
原審結果 |
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被害者 |
所員 |
天候等の状況 |
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ID:166[mid:3]