事故事例の詳細
事故概要
エレベーターのワイヤロープが切断したことにより傷害事故が発生した。
この事故の事故パターン
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事故のきっかけ |
事故の過程 |
詳細と留意点 |
1 |
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かごごと落ちる |
墜落 |
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事故概要詳細
情報ソース |
裁判判例 |
建物用途 |
ホテル・旅館 |
場所 |
その他場所 |
建築部位 |
エレベーター |
障害程度 |
死亡 |
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判例の詳細
- 責任の所在
- エレベーターの所有者に工作物責任 エレベーターの設置請負業者に求償責任
- 瑕疵・過失の有無
- 有り
機械設置請負人は、事故発生の防止すべき注意義務があるにもかかわらず、その義務を果たしたといえないので責任を免れることはできない。
- その他
- 民法717条3項による求償責任が認められるためには、被求償者と被害者との間に不法行為責任が成立する関係にあるとする点、請負契約の場合でも、注文者の意向に沿えば危険を生じる場合には、その注文者にその旨を伝え、危険を除去するよう事故発生を防止すべき注意義務がある。
判例の解説
- 事案の概要
- エレベーターのワイヤロープが切断したことにより傷害事故が発生し、エレベーターの所有者が、被害者に工作物責任に基づき損害賠償責任を負った事件である。その後、所有者が、エレベーターの設置請負業者に対し、民法717条3項の求償責任を求めた。
- 裁判所の判断
- ① 民法717条3項による求償責任が認められるためには、被求償者と被害者との間に不法行為責任が成立する関係にあることが必要である。
② 機械設置・設計工事の請負人は、危険性の無いものを設計すべきであり、仮に、注文者の意向に沿えば危険を生じる場合には、その注文者にその旨を伝え、危険を除去するよう事故発生の防止すべき注意義務があるというべきで、注文者の意向に従い、又は注文者の了解を得て、注文どおりに完成させたというだけでは、その危険から生じた事故により被害を受けた者に対する責任を免れることはできない。
本件においては、その義務を果たしたとはいえないし、ほかに、事故防止のための適切な措置を採ったともいえないので、本件エレベーターの瑕疵について責任があり、求償責任も成立するとした。
③ なお、民法717条3項の求償責任は債務不履行責任ではないから、請負契約上の債務不履行の有無は、この求償責任の存否には関係がないとしている。
- 本判決のポイント
- 民法717条3項による求償責任が認められるためには、被求償者と被害者との間に不法行為責任が成立する関係にあるとする点、請負契約の場合でも、注文者の意向に沿えば危険を生じる場合には、その注文者にその旨を伝え、危険を除去するよう事故発生を防止すべき注意義務がある。
事件番号・判例時報 |
平成3(ネ)158 |
裁判年月日 |
平成5年4月14日 |
事件名 |
損害賠償請求事件 |
裁判所名・部 |
大阪高裁 |
判示 |
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原審事件番号 |
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原審裁判所名 |
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原審結果 |
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被害者 |
エレベーター利用者 |
天候等の状況 |
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ID:1222[mid:99]