社会の高齢化を反映し、建物の廊下で転ぶ、階段を転落するなど日常生活における建物内での事故は、住宅、非住宅建築物それぞれにおいて増加しており、統計によれば、非住宅建築物における死者数は、2015年には4000人を超え、その後、交通事故の死者数にも匹敵していくことが推定されています。
建物内での日常事故の実際の事例をみますと、利用者の不注意で生じているケースもありますが、建物の設計者、管理者の不注意による場合もあり、利用者、設計者、管理者が、それぞれ、事故の危険性を認識し、少し配慮をするだけで、多くの事故が予防できることがわかります。
本シンポジウムでは、人々の日常生活において、特に非住宅の建築物やその周辺で起きる事故を予防するため、建築設計者や建物管理者が留意するべき事項や安全対策の考え方について、専門の先生方から実例を交えて講演をしていただくとともに、関係者によるパネルディスカッションを行い、それぞれの立場から事故を予防するための方策について議論しました。
【主催】国土技術政策総合研究所
【後援】財団法人 日本建築防災協会